風邪薬に込められた思いと外来患者のガッツポーズ
- Chieko Tsukamoto

- 2025年12月18日
- 読了時間: 3分

ちょっと油断したのか、朝起きたら喉が痛い。 体調は問題なく、熱もないけれど、少々咳が出るのか気になって、 商業施設にある薬局により、喉の痛みと咳が主症状であることを伝えました。
喉の痛み、炎症をしっかり抑えてくれるいわゆる風邪薬を、薬局薬剤師が勧めてくださいました。
お会計を済ましていると、「本格的な風邪になるかどうかの瀬戸際ですね、しっかり休んで、、なんとか乗り切ってください!」と言ってくださいました。
人はちょっと体調が悪くなると、弱気になりがちなのですが、
「そうか、今、本格的な風になるかどうかの分かれ道だ、なんとか風邪のウィルスに負けないようにしなきゃ」と、単純な私は、思って、しっかり薬を飲み、喉を温め、早めに寝て、
今のところ悪化していません。
その時に、ふと外来ナースをしていた時のことを思い出しました。
血糖値が高く、至急入院して治療が必要と言われた働き盛りのビジネスマン。
その人に入院の説明や、今までの生活ぶりを聞かないといけません。
入院を拒み、不機嫌な彼は、医師に「命の保障はできません」とまで、言われてしまった。
この人に通り一遍の説明をして、入るんだろうか。
そんな思いの私の前に、彼は座りました。
本当に不機嫌でイライラされています。
説明書を手に、私は第一声。「入院になるなんて、飛んだ災難でしたよねえ。困りますよねえ」と話しかけた、
彼は、え?という顔。
説得されると思っていたのだろうか。
「私も今、入院しろ、と言われたら、今晩の生協さんの荷物誰が受け取ってくれるんだろうとか、息子の晩御飯どうしようか、とか、明日の仕事のシフトどうしようとか、めっちゃ色々考えちゃいますわ、たまったもんじゃないですよね、暇してるわけじゃないし。
あ、私よりきっとお忙しいですよね、、すみません」
おばさんトークに、彼はさらに拍子抜けした様子の顔をされました。
そして、「・・・・ほんまですわ」とため息をついたが、
さっきの、シャッターを下ろし切った顔ではなくなりました。
「まあ、、、でも。あなたの体はそれだけとても大切なのだから、、、今は、頑張ってほしい、と思うのが、医療職のエゴかもしれませんが、お願い、です。」とお伝えしました。
「さて、どうしましょう。お気持ちも落ち着いてらっしゃらないと思いますが、
入院の説明、聞いてもらってもいいですか?」
彼は座り直して、話を聞いてくれた。
説明が終わった後、「いや、本当に、よく決断してくれましたね。頑張って治してもらうように私からも先生にお願いしておきますね」「決断してくださってよかった、ほっとした」とさらにお伝えしたところ、
最後に「いや、本当に大変なんやけど、まあ頑張るわ、ありがとうな」と柔らかい笑顔で
入院日の確定をしました。
「本気で元気になられるのを祈っていますので、次の受診の時に、元気な顔見せてくださいよ!」とお願いしたところ、ちょっと涙ぐまれた目元に、私もグッときたのです。
外来の説明ブースを出られる時に、もう一度「応援してますよ!」と
声をおかけしたら、ガッツポーズをしてくれました。
不安な気持ちは、いろんな形で表出されます。
イライラ、不機嫌、横柄な態度。
それらの意味を慮る人になれたらいいな、と思っています。



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